どうして定期検診が必要なの?

カゼをひいた時には病院に行きます。でもお薬をもらった後、定期検診に来てください、とは言われないですね。どうして歯医者さんでは検診が大切だと言うのでしょう。

それは体の中でも歯や、そのまわりの歯周組織(歯ぐきや歯を支える骨)は特殊な性質があるからです。

  

ケガをした所が治るのはなぜでしょう。

それはケガした所から血が出て、かさぶたができるからです。

血の流れにのって、免疫細胞(バイ菌と戦う体の中の細胞)もやってきます。

でも、歯は削ってもむし歯になっても、血は出ません。

そのため、むし歯になっても自然には治らないのです。かさぶたのように穴が塞がったり、傷が治る事はありません。

   

では、歯ぐきやまわりの骨はどうでしょうか。

疲れた時に歯ぐきが腫れたけど、そのうちに治った

そういう経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

歯ぐきには血が通っており、何かあれば免疫が働きます。からだが元気であれば治してくれるのです。

ですが、問題は歯があることで歯ぐきや骨に感染が及ぶ(からだの中までバイ菌が入ってしまう)ことです。

これは一体どういう事でしょうか?

  

体の外には、いつもたくさんのバイ菌がいます。

ケガをすると、傷から体の中にバイ菌が入らないよう消毒する事もあります。バイ菌が体の中に入ると腫れたり化膿します。

実は、これと同じことが歯の周りに起きているのです。

 

歯についたバイキンの固まり(歯垢や歯石)は歯ぐきに炎症を起こします。

そうするとバイ菌は歯ぐきの血流にのって、体の中に入り込みます。

つまり歯は、体の外(バイ菌たくさん)と体の中(バイ菌入ってはいけない)をつないでしまっているのです。

 

むし歯や歯周病などが心臓病や糖尿病に悪影響があるということを聞いた事のある方もいるでしょう。

お口の中がバイ菌だらけになってしまうと、歯と歯の周りから体の中に侵入してしまいます。

 

そのため、体の中で特に感染が起きやすい(バイ菌が入りやすい)歯と歯の周りは定期的にケアする事が大切なのです。